2019年6月25日火曜日

ラスト・ダンス2

サークルの発表会パーティの帰り、親しいメンバーNさんとお疲れさん会。

生田は、しばらくぶりに飲む。
そのとき、思いがけない話を聞いたのだった。

突然、短期間のうちに消えた、亡くなったYさんのこと。

「意識が朦朧とするなかで皆さんのことを思い出します。ダンスがこんなに楽しいものとは思っていませんでした。、、、」

後日、知人に託されたサークルメンバーに宛てた手紙のなかの一節だ。

Yさんは小柄なのだが、美形で胸は挑戦的に突き出ていて、とてもチャーミング。

ジャズダンスをやっていたこともあって、もの覚えがとても速く、その速さはある上級者に言わせると「普通の人の5倍くらい」と評されていた。

初めてやってきた日にワルツの簡単なステップをだいたい覚えてしまったほどだ。

さて、この人の話を突然しだしたNさん。
「こんな人がいるんだ。こんな人と結婚出来たらいいなと思っていましたよ。」
「えっ、、、。」

生田は思わず絶句した。頭髪の後退の激しいNさんがそんなことを言い出した。
冒頭の手紙の一節を覚えていて、言い出したあとのこの感想なのだった。

このYさん、ご主人の仕事の関係で中国に何年かいたらしい。
その関係で中国語を教えられるくらい達者だったようで、後にその中国サークルにいた中国語サークルの生徒さんがYさんの縁で我がサークルに入ってきている。

頭もよく、美人。胸も張り裂けんばかりのハリ。歩くとゆさゆさ揺れる。

こういう女性は嫌いという男はいない。それはわかるが、結婚したい、とまで言うか。
どうだろう。生田はあきれるのだった。

関連参照:
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