生田は以前習っていた先生にお願いして「個人レッスン」をすることになった。
ようやく実現したのだ。
月3回、一回30分なので、あっという間に終わる。
以前の経験からそう思う。
また、厳しい先生なのでぶつかっていく気持ちがないとくじけてしまいそうなのだった。
そこで、自分が納得できるように一回一回課題を設けてぶつかることにした。
初回はホールドに決める。
なんども出てくるテーマだ。この疑問を解消するようにしたいのだ。
生田はレッスンの会場になる公民館を下見に行った。
陸の孤島のようなところにその公民館は建っている。辺鄙だからほんとに地元の人しか行かない。
だが、別の見方をすると「穴場」なのだ。いつでも希望する時間帯がとれるのだ。
そんなところだが、生田が行くにはかなり時間がかかる。電車、バス、徒歩でつないで結構な時間がかかることがわかった。小一時間かかるのだ。
そこで生田は秘策を講じた。
生田はいろんなものを犠牲にしての個人レッスンになる。それだけに集中して臨みたいと思っている。
年齢的にも、もうそんなに時間はない。ある程度の線までいくことを目処にしていきたい。
一応5年を目処に挑戦する。そう決めました。
この5年の時間の間にいろんなことが変わりそうだ。
身辺のこと、家族のこと、人生のこと、死のことなどを考え、この状況を生き抜いていきたいものだ、と思うのだった。
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